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論文掲載:GOKURI頸部装着型聴診器による嚥下音解析で加齢差を確認

  • 執筆者の写真: PLIMES Inc.
    PLIMES Inc.
  • 7月7日
  • 読了時間: 2分

2025年6月22日付で『Geriatrics & Gerontology International』に掲載された論文「Application of an artificial intelligence–assisted electronic stethoscope for evaluating swallowing function decline across age groups and sex in Japan」(東京科学大学 大学院 地域・福祉口腔機能管理学分野 教授 松尾 浩一郎ら)にて、日本人155名を対象に、GOKURI™頸部装着型電子聴診器(NWES: a neck-worn electronic stethoscope)を用いて嚥下音解析を行い、その有効性が検証されました。


背景:嚥下障害は、誤嚥性肺炎や生活の質(QoL)の低下につながる重大な問題です。従来、嚥下評価には内視鏡や造影検査が主流でしたが、高齢者では口腔機能低下が進行していることが多く、より簡便で非侵襲的な評価法として、頸部装着型電子聴診器(NWES)とAI技術の組み合わせが注目されています。


研究内容:健康成人155名を20~39歳、40~64歳、65歳以上の3群に分類し、5 mLの水を2回嚥下させました。NWESで嚥下音を取得し、咽頭クリアランス時間(PCT)を算出しました。

年齢とPCTには有意な正の相関が認められ(P = 0.005)、65歳以上では若年群に比べPCTが有意に延長しました(P = 0.032)。また、PCTは他の口腔機能評価指標(口腔自己評価質問票など)とは有意な相関を示さず、NWESを活用したPCTが独立した嚥下機能評価の指標としての可能性が示唆されました 。性別による差は認められませんでした。


結論と意義:

本研究は、頸部装着型電子聴診器とAI技術により、加齢に伴う嚥下機能低下を非侵襲かつ定量的に捉える可能性を示しました。特に口腔機能低下が進む高齢者において、NWES+PCTの組み合わせが嚥下・口腔状態を評価する独立指標として有望であると考えられます。今後、遠隔モニタリングや嚥下障害の早期発見への応用が期待されます。

本研究の詳細につきましては、こちらの論文をご参照ください https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ggi.70108

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