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「つながり」で地域医療をかえていく
——患者さんがどこに住んでいてもとりこぼさない歯科支援 新潟大学 医歯保健学研究科 摂食嚥下リハビリテーション学分野🔗 取材協力:真柄 仁さん 在宅での医療ニーズは急速に拡大しています。なかでも摂食嚥下障害は、誤嚥性肺炎や低栄養のリスクと直結しますが、専門的に診ることができる医師・歯科医は全国的に不足しています。新潟大学は2014年から新潟県歯科医師会と連携し、「摂食嚥下治療登録医制度」を通じて専門歯科医の養成に取り組んできました。地域の歯科クリニックの外来や訪問での歯科診療のなかで、摂食嚥下障害の治療について、大学の専門医から指導を受け、現場との情報連携を円滑に進められるよう、クラウドファンディングを活用した遠隔支援システムの運用も開始しています。日本が抱える医療課題に新潟から先頭を切って挑む、真柄さんにお話を伺いました。 「診療が途切る危うさ」──制度をつくった出発点 病院でのリハビリを終えて在宅に戻った患者さんが、嚥下評価の継続も難しく、診療が途切れてしまう、その現実が、約20年前の新潟大学病院にはありました。 「入院していた時はリハビリ
PLIMES Matsuda Saho
6月5日読了時間: 5分


「おいしさ」の開発、感じ方をかたちと味に
——株式会社明治・久嶋さんの食品研究活用事例 株式会社 明治 研究本部🔗 取材協力:久嶋智子さん 研究分野: 高齢者向け食品・摂食嚥下・食品物性評価 食品の開発において、「おいしさ」や「食べやすさ」はどのように決まるのでしょうか。株式会社明治で高齢者向け食品の物性評価・研究に携わってきた久嶋さんは、長年、この問いに向き合ってきました。 「飲み込みにくさや、食べ辛さは、開発者にも想像はできます。でも『かんで飲み込む』が困ることなくできている以上は、やはり想像でしかないんです。やわらかくすればいい、とろみをつければいい、と試行してみるのですが、それが本当に困っている方々にとって適切なのか——確かめる手段がありませんでした」 物性データは取れます。しかし数値が「人にとってどう感じられるか」には直結しません。また、「飲みやすい」という言葉が指す感覚が人によって異なります。何か良い計測ツールがないかと探している中で、GOKURIに出会いました。 飲み込みを測って可視化する GOKURIの導入が変えたのは、「評価の個人差」の問題でした。...
PLIMES Matsuda Saho
5月28日読了時間: 5分


管理栄養士として、嚥下評価を毎日の食支援につなぐ
——管理栄養士・井上彩さんの実践から 施設名:社会福祉法人養浩会 すずしろの里 鹿児島県肝属郡 見学日:2026年1月26日 取材協力:管理栄養士 井上 彩 さん 社会福祉法人養浩会 すずしろの里は、全国から入所者を受け入れている障害者支援施設です。身体障害、精神障害、知的障害のある方をはじめ、医療的な配慮が必要な方など、さまざまな背景をもつ方が入所されています。 施設の職種体制は、管理栄養士を中心に、PTが週3回1名、看護師4名、介護職が約30名です。今後は外国人介護人材の受け入れも予定されています。 「形のある食事」をあきらめないという考え方 すずしろの里の食支援の根底には、「できる限り形のある食事を続ける」という考え方があります。「食事」を毎日の楽しみの一つにしてもらうためには、安全は当たり前で、そして常に判断を伴う支援です。 井上さんは次のように話します。 「刻み食やミキサー食に一律で移行するのではなく、可能な範囲で形を残し、食への意欲や挑戦を支えたいという考え方が、施設全体にあります」 この思想には、前理事長夫妻の考え方が大きく
PLIMES Matsuda Saho
2月25日読了時間: 5分


嚥下評価を「日常の診療」の先に
——歯科医師の実践から 施設名:渋谷歯科医院🔗 取材協力:澁谷英介さん(医院長・歯科医師) 歯科治療と摂食・嚥下を専門に 渋谷歯科医院は、東京都板橋区で100年以上続く地域の歯科医院です。現在は外来診療に加え、施設や在宅への訪問診療も積極的に行っています。 訪問診療の対象は高齢者施設の入所者、在宅療養者、障害のある方、人工呼吸器を使用されている方まで幅広く、義歯調整や修理にも力を入れています。 「入院して痩せてしまい義歯が合わなくなったら、どのみちミキサー食だから、と義歯を外される患者さんもいらっしゃる。その結果、さらに筋力が落ちるんです」 こうした現実に直面してきたことで、澁谷さんが歯の治療だけでなく「食べる機能」そのものに関わる診療へと軸足を広げるきっかけになりました。 嚥下内視鏡検査だけでは見えない部分——導入の背景 2008年頃から、澁谷さんが介護老人保健施設内での歯科診療に関わる中で、嚥下評価の必要性を強く認識するようになりました。当時は月に一度、外部の専門家による嚥下内視鏡評価を行っていました。しかし、嚥下内視鏡検査は対象患者への負
PLIMES Matsuda Saho
2月25日読了時間: 4分


経口維持管理の質を守るために
——副施設長・看護師 島さんが語る嚥下評価体制の再構築 島宗充 さんと八尾英人施設長(右) 施設名: 特別養護老人ホームあんり 🔗 見学日:2026年2月13日 取材協力:副施設長、看護師 島宗充 さん 特別養護老人ホームあんりは、大阪府にある全室個室のユニット型施設の介護老人福祉施設です。ご入居者・ご家族の意向に丁寧に寄り添い、多職種が連携して、「その方らしい暮らし」を支えています。 10年ほど前から、看護師の資格を持つ現施設長・八尾英人さんを中心に「利用者優先」の視点に立った食事提供と、その喜びを支えるための食支援に継続して取り組んできました。安全を前提にしながら、できる限り口から食べ続けられる環境づくりを進めています。 生活を守るための嚥下評価 「摂食・嚥下機能の評価は、制度上の算定要件を満たすためでもありますが、私たちにとっての本来の目的は、ご利用者の生活を守ることにあります。」 副施設長であり看護師でもある島さんは、そうお話しされます。施設ではNST(栄養サポートチーム)として各フロアに1〜2名の介護職員、看護師、機能訓練指導員、管理
PLIMES Matsuda Saho
2月25日読了時間: 4分
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